2021.05.18
よりプライベートに、より親密に。(鍼灸サロンZEN様×FMC)
FMCのクロストーク第二弾です。これは我々が普段から尊敬の念を寄せる「素晴らしいサービスをつくりだしている企業」、「もっと世に広まってほしいと願う職人さん」などを対談形式でご紹介していき、FMCのスタッフが普段どのようにクライアント様やパートナー企業様たちとお付き合いしているかを覗いていただけるコンテンツとなっております。
第二回目は鍼灸サロンZEN代表の藤塚氏です。
─(FMC安東)本日はお忙しいところお時間いただきありがとうございます。
それではまず、このお店で提供しているサービスなど、自己紹介からお願いしたいです!
よろしくお願いします。まずZENは大体2年前くらいにオープンして以来、治療とリラックスという二本の軸を据え、鍼灸・リラクゼーション・エステを盛り込んだ癒しの空間をお届けしています。
何かが違う。じゃあ、お店を開こう
─藤塚さんはもともと鍼灸院で働いていらしたんですよね。
藤塚:そうなんです。
─そこから、どうしてご自身でお店を立ち上げることになったのですか?
藤塚:私が以前働いていた場所が不妊治療専門の鍼灸院だったんです。そこにはたくさんの先生たちがいらして、10床ほどのベッドを次から次へと回転させていくようないつも忙しいお店でした。
その後に少し縮小を繰り返したのですが、それでもひっきりなしにベッドが埋まっていって、短時間ですべての施術を終わらせなければいけない忙しない雰囲気が私のやりたいことと合っていないなと思ったのがきっかけですね。
─なるほど。やっぱり限られた時間の中での施術では無理があったのでしょうか?
藤塚:そうですね。少々の無理はあったと思います。あとは、やっぱりカーテンで仕切られているだけだと隣の方の声がほぼ筒抜けの状態なんです。不妊治療という施術の特性上、色々なお悩みを抱えておられる方もいらっしゃいますし、そうした環境ではお話がしづらい、ということもありましたね。
ただ、慣れてくればメリットもあるんです。例えば会話が聞こえることによって、「あ、隣の人も同じ境遇なんだな」と安心できるとか。
とはいえ、私がお客様の立場だったら、プライベートな空間でもう少し時間にもゆとりを持って受けたいなと思ったんです。でも、それは従業員として勤務していたら難しいですよね。
─確かにそうかもしれないですね。そういうお店ってなかなか少ないかもしれません。
藤塚:そうなんです。だったらもう自分でお店をやろうと!
─それは思い切りましたね。思い立ったらすぐ行動なんですね!
藤塚:そうなんですよ。もう、やるぞーって決めて(笑)。
─すごい!!
藤塚:やると決まれば、癒しやリラクゼーションなど、女性特有の悩みもお手伝いできるサロンにしていきたいと思っていました。というのも、鍼灸はもともと予防医学だということもあって、治療だけではなくリラックスの要素も絶対に必要だと考えていたからです。
─そうだったんですね。独立するとなった時は大変でしたか?
藤塚:それが私は、なるようになるだろう!と考えるタイプなので、前段階をいくつか踏まえてからではなく思い切りよく踏み切った感じで、独立前はそんなに(大変なことは)なかったかもしれません。
ただ、立ち上げた直後は集客が大変でした。普通のエステサロンやリラクゼーションと違って、鍼灸は好きな人もいれば苦手な人もいますから。加えて路面店ではないというのもありましたしね。
─集客はやっぱり鍵になってきますよね。では、ZENという名前の由来であったり、弊社がロゴを作らせていただいたときにこだわった点について教えていただけますか?
藤塚:はい。私は、座禅の「禅」に子供の「子」で禅子という名前なんですけど、両親からもらったこの「禅」という言葉を大切にしたいなと思っていて。
─では、もう初めから決まっていたんですね。
藤塚:そうですね。もう決めていました。
─なるほどです。この空間にマッチしていてとても良いと思います。では、ロゴに関してはいかがですか?
藤塚:ロゴはもう、絶対すずらんにしようと最初から決めていました!
─仰っていましたよね(笑)。
藤塚:はい、もうそこは初めから。すずらんがすごく好きだったし、なんか…なんかかわいいじゃないですか(笑)。フランスでは幸せをもたらす花とされていたり、それなのに実は毒を持っていたり。
かわいいだけではなく、いろいろなものを持っているというところが好きだなと感じたので、それに決めてお願いしたんですよね。
─はい!そこはもう断固としていましたよね。それをどのようにデザインに落とし込んでいくかというところを、「これはちょっと違うかなあ」とか色々やりとりしながら作らせていただきました。最終的には満足いただけたということで、とても嬉しいです。
隠れ家的プライベートサロンを目指して
─次はZENの強みと、世の中に数多くある鍼灸サロンと比べたときの違いをできるだけ教えていただきたいです。
藤塚:そうですね。まず、一つは完全予約制のプライベートサロンで施術を1対1で行える点です。加えて先ほど申し上げたように路面店ではないので、隠れ家的な雰囲気があるという点ですね。ZENの特徴というところだと、東洋医学だけでなく、西洋医学や骨接ぎなど様々な要素をミックスさせた施術を提供しているところだと思っています。
─なるほど。しかしここまでプライベートなお店はなかなかない気がします。個室のところは探せばたくさんありそうですが、こちらは住所も非公表ですし、まるで会員制のバーのような。一つのブランディングの仕方として、すごくありだなと思いました。
藤塚:はい。最終的には知る人ぞ知るサロンにしていきたいなと思っています。
─あとはやっぱり、藤塚さんの人となりですね。
藤塚:そうなんですかね?(笑)そうだったら嬉しいです。
まあでも、東洋医学にしても西洋医学にしても、常に勉強して新しいものを取り入れていきたいなという思いはすごくあります。特に美容は絶対に新しいものを知っておいた方がいいので。
あと、患者さん自身も、皆さん鍼灸や不妊のことを勉強していらっしゃるんです。
─お客さんが?
藤塚:はい。美容もそうなんですけど、すごく詳しい。だからその都度しっかり対応できるように、アンテナは常に張っておかなければと思っています。
─ここにいらっしゃるような方は確かに詳しい方が多そうですね。
藤塚:だから、逆に勉強させていただいている側面もありますね。知らないことも、お客様に「実はこういうのあるんですよ」と教えていただける。
私は知ったかぶりが一番嫌なので、知らない時はちゃんと知らないと言うように心がけています。
─大事なことですよね。ありがとうございます。次は、オープン当時から「どういう方がZENに合うのか」というターゲット層についてお話を伺っていましたが、オープンして改めて「こういう方がよく来てくれている」という層についてお聞かせください。
藤塚:不妊に関して言えば、キャリアウーマンの方々ですね。高齢妊活をしている30代後半の方がよくいらっしゃいます。
それ以外の美容であったり、リラクエイジングコースだと、もっとお年を召されて75歳以上の方や、あとは子育てがそこそこ落ち着いたくらいの年齢のお客様が多いですね。
40歳を過ぎてお子さんたちも社会人になったあたりで、ふと自分の身体に意識が向いて、そういえばなんだか不調を感じることが多くなってきて、という。
私の役目は、セルフケアでは行き届かない部分を整えて、美しさを保つお手伝いをすることだと思っています。
─私もそうだったのですが、世間では鍼灸サロンというともう少し医学っぽいイメージ、「施術」をする場所だと捉えている人が多いように思います。空間を楽しむというよりは、治療目的みたいな。その点、実際ZENに来てみて、ここは癒しやストレス軽減を覚えるような、リラックスした時間の流れを感じます。
藤塚:そうですね。接骨院と一緒になっている鍼灸など、世間的には確かに治療の方向を向いているところが多いですね。
ただ、私はあくまでバランスだと考えているんです。東洋医学は基本陰陽のバランスで成り立っていると言われています。
私は、そのバランスを保てるような空間作りをしたいと思っています。落ち込むときはとことん沈んでしまう激しいものではなく、もっと緩やかに老化していってほしい。
老化は、どう足掻いても絶対してしまうものなので、老化をストップすることはできなくても、いかに良い方向にもっていくかという意識が大切だと考えています。
いろいろお話させてもらって、きちんと軸となるコンセプトを大切にされていることが分かります。
藤塚:意外と、そうなんですよ!(笑)
─いわゆる流れ作業と真逆のことをしようとしているってことですよね。
藤塚:はい。まあでも、色々なタイプの治療院がある、それはそれで素敵なことだと思います。その場で痛みを無くせるっていうのも、絶対必要ですから。
初めてのホームページ作成に挑戦
─なるほど。ありがとうございます。少しここからは趣を変えてホームページなどのお話をお聞きしたいのですが、作ってみるときにどんなことを意識していましたか?
藤塚:それが、実は当時はイメージが全くなくて。私はホームページからの勧誘ではなく、人の紹介で繋がっていくサロンを構想していたので、開業時は、いわゆるホームページは必要ないと思っていたんです。
持つにしても、「こういうお店です」というのを伝える、名刺のような形で考えていました。
─確かにホームページがないところもたくさんありますしね。
藤塚:ただ、前に患者さんから「ホームページはないんですか」と尋ねられて、そのときに、「確かに今はもう必要な時代なんだな」と気づいて、これじゃいけないなと思ったんです。友人に紹介された場合を考えたときにも、やっぱりどういうお店かがある程度わからないと不安だろうな、と。
─今では必ずと言っていいほどサイトを見てお店の雰囲気を事前確認しますし、イメージが湧くと安心感がつきますね。それでホームページの作成の方法を検索したんですね。どんなワードで検索したか覚えていますか?
藤塚:「ホームページ 制作 作成 はじめて」とか、「ホームページ作成 パソコンが苦手な人」とか、そんな感じでいくつか調べてみて、まずは自分で作ろうと思ったんです。
その中で気になった、ホームページの作り方を教えてくれるスクールに一度お試しでミーティングをしました。
─そうだったのですね!ちなみにスクールの費用はどれくらいでしたか?
藤塚:20万円くらいでした。自分で作って20万円は少し高く感じてしまって、そこは断念しちゃったんです。
─ちなみにどれくらいの期間のスクールだったのですか?
藤塚:半年間くらいです。
─なるほど、考え方次第ですね。
藤塚:周りの開業している子たちは自分で作ったりしていたんですけど、でもそれはみんな若い子たちだったので。自分で作ればお金がなくてもできるとはいえ、やっぱり私には難しいなと思ったんです。
─いや、難しいですよ。色々考えての、この選択だったのですね。
当時、ホームページだけではなく、名刺やロゴであったり、そもそも何が必要なのかというところから相談していただきましたよね。
藤塚:本当に何もかもわからなかったので。FMCさんのすごいところは、誘導してくれるところ。「そこもまだ決まってないんですか?」ではなくて、「そうなるとこういうのが必要なんですよ」みたいに、上手に誘導してくれるんです。
─そういう風に言っていただけると非常に嬉しいです。開業される前は色々大変そうで、「なんとか助けないと!」と思っていました(笑)。
あえて大手を選ばない理由
─藤塚さんが色々調べる過程で、選択肢はたくさんあったと思うんです。それでもうちを選んでくださったことがとても興味深いなと。
藤塚:私、元々大手はやめようと思っていたんです。
─それはどうしてですか?
藤塚:パターン化しているホームページが多い印象を受けていたからですかね。
色々な方達に相談してみたら、その方達が「初期費用を安く見せているところはからくりがあるからだよ」と教えてくれて。あまり目先の金額に左右されない方がいいと思ったんです。
─先輩方のアドバイスがあったんですね。確かに契約期間で縛りがあったりすると、結果的にトータルでは高くなってしまうところもあるかもしれません。
藤塚:大手の方が安心なのはそうかもしれないんですけどね。
─どちらも良い悪いではなく、同じ目線で並走できる業者さんがいいですよね。結果的にうちを選んでいただいて、「ここが良かったな」という点はありましたか?
藤塚:ビジネスビジョンじゃないところがすごく居心地が良かった。あとは一つ質問をしたらそれに対して色々な角度から教えてくれたり、メニューを作るのも相談させてもらったり。
─僕たちも一緒に作っている感覚でした。やりがいを感じていましたし、何より面白かったです。
藤塚:明確なイメージがあったならもっとやりやすかったかもしれないけど、私はふんわりしたビジョンしかなかったからそういう意味でも大変だっただろうなと思います。付き合ってくださってありがとうございます。
─こちらこそありがとうございます。
どういうところが藤塚さんのこだわられているところなのか、どういうところが基準点になるのかがわからないというところでお互いに模索していた時期がありましたね。そこは我々も勉強になりました。
藤塚:私みたいにぼんやりとしたイメージを持っているお客さん、たくさんいると思うんです。ホームページがまずわかっていなくて、どういう風にしたらどんな風になるかという想像がいまいちつかない人って、年代的に結構多いと思うんですね。
─もちろんそうですね。
藤塚:だからそれを導いてもらえたって感じかな。
─ありがとうございます。オープン前から一緒に模索してこうして今に至るまで長いお付き合いをさせていただいているというのは、一つの成功事例だと捉えています。本当にゼロスタートでしたもんね(笑)
藤塚:私のイメージが定まっていなかったから。私自身の軸がなくて呆然とやっていた感じだったからなおさらだよね。
─こちらももっとスムーズにリードできていればという部分もたくさんあったと今となっては思うんですけどね。
藤塚:「こうしたい、ああしたい」というのが少なすぎて。漠然としたイメージはあるんですが、それを言葉にするのが難しいんですよね。
─わかります、現物を見てみないとわからないですよね。そこは我々も提案時に一番気をつけているところです。
ZENの見据える3年後
─こうして藤塚さんのお話を聞いていると、ちゃんと変化して、進化していっている。それがすごいです。では、この流れで今後のビジョンを聞いてみましょう。
藤塚:1年後はそうですね、予約で一杯になっていてほしい。
─素晴らしいです。それはだいたい1日で何名くらいの想定ですか?
藤塚:これからどう変わっていくかわからないけど、今の感じだと1日3名くらいですね。後はリピーターさん。
─目標がどんどん明確になってきていますね!さらにその次の目標はありますか?
藤塚:3年後はね、ここじゃないところでやりたい。
─なるほど。拡張ってことですね?
藤塚:空間的にももう少し広いところにして、美容の機器を増やしたりして。本当に治療と美容の両方がミックスされた空間で、長めの施術時間があってというような感じですかね。
─なるほど。
藤塚:でも、コロナで時代が変わっていく中で、望みも今までとは違ってくるとは思うんですけどね。それこそ、大手企業が都内から脱出して地方に本社を移転したり、ステイホームの生活になったりとか。
─藤塚さんがこんなに大きなビジョンを持っていたことに驚きました。ではまずはここをいっぱいにすることですね。
藤塚:そうですね。それもお願いしたいな?
─それも求められているのですね(笑)。
藤塚:他力本願です(笑)。
─それでは、最後にうちに今後こういうことを求めているとか、こういうことを一緒にできたらいいな、みたいなことがあったら教えてください。
藤塚:もう、引き続きよろしくお願いしますという感じです。本当に私、パソコンのこと何もわからないじゃないですか。なので、そういうことをこれからも教えてもらえたら嬉しいです。
これからお店を始めようって人たち、特にこの世代はわからないことだらけの人がたくさんいると思うんです。そんな中で、FMCさんは会社全体の優しい雰囲気がいいなって思いました。
(FMCの)ホームページは少し敷居が高くて、最初は「どんな感じなのかな」って思ったけど、扉を開いてみたら中には優しい人がたくさんいた。だから別枠で、柔らかい雰囲気を伝えられる何かがもう一個あったらいいなとは思いました。
─なるほど。それいいアイデアですね。勉強になります。
この業界ってどうしても小難しい言葉が多く出てくるんですよね。でも、人によってはそれを知っていることが自己満足に見えてしまうんですよね。やけに専門的な語彙で説明してくる電気屋さんみたいな。「で、結局これはどう役に立つの?」みたいなことをわかりやすく伝えてほしい。
なので、わからない人たちに対して、どうわかりやすく説明してあげるかが僕らの務めなのかなと思います。今はもう無料でなんでも作れる時代じゃないですか。
そこで、「なんでわざわざ人がいるの?」ってなったとき、やっぱりわかりやすく教えてあげるコーディネイターとしての役回りが大事なんですよね。どんなに最先端な技術を扱うようになっても、その気持ちは忘れちゃいけないなと思います。
藤塚:業界の中に身を置いていると、みんな何でも知っていると思い込んでしまうこともあると思うんです。でもそれは当たり前じゃなくて、全然知らない人もいる。だからこそ、知らない人目線でのわかりやすい説明があるのはすごくいいなと思いました。
─ありがとうございます。興味深い話を聞けて非常に参考になりました。本日は本当にありがとうございました!
- 会社名
- 鍼灸サロン ZEN
- 名前
- 藤塚禅子
- 紹介
- 不妊治療専門の鍼灸師を経て、現在は「鍼灸サロン ZEN」でオーナーを務める。中目黒にプライベートサロンを構え、こだわりのリラックス空間でスローエイジングなど様々なコースの鍼灸治療を提供している。