2026.04.02
私たちはプロフィットセンターでありたい!デザインをビジネスの言葉で語るために学んだこと

みなさんこんにちは。FMC広報スタッフです。
先日、社内でデザイナーを中心に、書籍『デザイナーのビジネススキル キャリア5年目からの壁の超え方』をもとにした勉強会を開催しました。本記事では、そこで私たちが学んだことをご紹介します。
思わず背筋が伸びるような内容でしたので、今回はその学びをブログでご紹介したいと思います。
デザイナーが「ビジネス音痴でも許される時代」は終わった
かつてデザイナーは、使いやすさと見た目の美しさを追求する職人的な存在として認められていました。プロジェクトの上流は他の誰かが担ってくれる。デザインだけに集中していればいい。そんな時代もありました。
しかし今は違います。デジタルサービスの普及や変化、そしてCanvaやAIツールの台頭によって、「デザインに意見を持つ人」が社内外にどんどん増えています。その結果、ビジネスの文脈で語れないデザイナーは、徐々に存在感を発揮しにくくなってきています。
「事業」と「経営」の2つを理解すれば十分

「ビジネスを学ぼう」と言われると、途方に暮れてしまいます。マーケティング、戦略論…と広すぎるからです。しかし書籍では、デザイナーが最初に理解すべき概念を2つに絞っていました。それが「事業」と「経営」です。
事業とは、価値を提案してお金をいただくことです。Webサイトを制作して対価をもらう、ブランドのビジュアルを作って購買につなげる。これらはすべて事業の文脈に乗っています。
経営とは、その事業を持続的に運用できるようにすることです。広報や採用、ブランディングはもちろん、コスト管理や資金繰りまで含む広い概念です。
デザイナーが関わる仕事のほとんどは、この2つのどちらかに当てはまります。「デザインはアートではなく、ビジネスの一部である」という自覚が、キャリアの質的な成長につながると書籍は説いています。
「パートナー」として見てもらうために

勉強会の中で特に印象的だったのが、プロフィットセンターとコストセンターという考え方です。
プロフィットセンターとは、その活動が直接的に利益を生み出す存在のこと。一方、
コストセンターは、費用を使って事業を間接的に支援する存在を指します。
デザイナーや制作会社の多くは、「パートナーとして上流から関わりたい」と考えています。しかし実際には「費用がかかる外注先」として見られているケースが少なくないようです。
この状況を変えるカギは、「待ちの姿勢」を見直すことにあります。依頼が来るのを待ち、言われた通りに作る。こうした受け身の姿勢がある限り、「指示を実行する存在」という印象を超えることは難しいのです。
待ちの姿勢を変える3つのステップ
では、具体的にどう動けばいいのでしょうか。書籍では以下の3つのフェーズが紹介されていました。
①情報収集:業界や事業への理解を深める
まず大切なのは、依頼を受ける前から、業界の動向や事業の背景を自分なりに調べておくことです。ネット検索だけでなく、さまざまな人と話すことで見えてくるものもあります。
表面に出ていない課題や、まだ言語化されていないニーズに気づけるデザイナーは、単なる制作者を超えた存在になれます。「あの人に聞くと、気づかなかった視点をもらえる」と思ってもらえることが、信頼の起点になるのです。
FMCでの実例をひとつご紹介します。
あるお客さまのWebサイトリニューアルをお手伝いした際、サイト自体の改修とは別に、SSL証明書が設定されていないことに気づきました。そのままでは改修後のサイトがセキュリティ警告で表示されなくなるリスクがあったため、ご依頼の範囲外でしたがすぐにお伝えしました。お客さまはその存在自体をご存知なかったため、とても喜んでいただけました。こうした「頼まれていないけれど、相手にとって大切なこと」に気づいてお伝えできるかどうかが、関係の深さを変えると実感しています。
②情報共有:提案より先に、対話の土台をつくる
提案書を作る前に、気になる情報を気軽にお伝えするところから関係を深めることができます。「こんな事例がありました」「この業界でこういう取り組みが増えています」といった共有が、お客さまとの自然な対話のきっかけになります。
まずは相手の状況や考えに興味を持ち、そこから一緒に課題を整理していく。そうした姿勢が、「提案してくる業者」ではなく「一緒に考えてくれる仲間」という信頼につながっていきます。
③対話:ヒアリングではなくディスカッションを
最初のミーティングを「ヒアリングの場」として使うだけではもったいないです。聞くことも大切ですが、そこに私たちの視点や気づきを加えて、一緒に考える場にすることで、お互いの関係がより対等で豊かなものになります。
荒削りでもいいので、初回から方向性を一緒に考えてみる。そのためには事前の準備も欠かせません。
デザインの説明は「ビジネスの言葉」で

もう一点、勉強会で強く意識するようになったことがあります。それはデザインを説明するときの言葉づかいです。
「赤を使ったのは目立つからです」ではなく「コンバージョンを促すために、視線の流れをここへ誘導しています」というように、デザインの選択をビジネスの文脈で語れると、お客さまにとって判断しやすく、納得感のあるコミュニケーションが生まれます。
また、「これでいいでしょうか?」とお伺いを立てるだけでなく、デザイナーとして判断すべき部分は自信を持って説明し、お客さまに委ねるべき部分はきちんと委ねる。この区別を明確にすることで、専門家としての信頼が積み上がっていきます。
おわりに
今回の勉強会を通じて、デザインの価値はアウトプットの品質だけでなく、お客さまの事業にどう貢献できるかを語れるかどうかにもあると実感しました。
勉強会の中で、こんな話も出ました。
担当するお客さまの業界について、事前に本を読んだり現場に足を運んだりして会話のきっかけをつくると、最初にあった距離感が一気になくなる、と。
「この人たちは自分たちのことを本当に理解しようとしてくれている」と感じてもらえるだけで、一段深い話ができます。代理店を通じたご依頼であっても、その担当者の方の目線に立って一緒に考える姿勢でいると、自然と信頼が生まれ、次の仕事につながっていく。それが私たちの目指すあり方だと、改めて確認できた勉強会でした。
「何か一つでも相手に役立つ視点を届けられたか」を考え、そうした小さな積み重ねが、長く信頼していただけるパートナーになることにつながると信じています。

