2024.06.14
【スタッフインタビュー】「あたらしい」を見逃さない仕組みづくり。ノーコードツールを使った新たなサイト制作を牽引したディレクターの追求力
李 博煒 Bowei Li / マネージャー・ディレクター
1996年中国天津生まれ、東京の下町育ち。立教大学在学中にオックスフォードで西洋古典に触れたことがきっかけで、東京大学文学部で古代ギリシア文学を学ぶ。大学時代はフリーの中日特許翻訳校閲者として4年間活動。
2021年FMCに新卒入社。今回はFMCスタッフとしてマネージャーを務めているディレクターの李さんに、普段の業務や、FMCで働いていて感じていることをあれこれ聞きました。
Interviewer
FMC広報スタッフ
広報スタッフ:本日はよろしくお願いします!
李:よろしくお願いします。
FMCディレクターの業務内容
—まず現在の業務内容を教えて下さい。
李:肩書的にはWebディレクターなので、サイト制作の進行管理を行なっています。具体的には提案書やお見積書の作成、受注後はサイトマップやワイヤーフレームを作成し、スケジュールを引いたりしています。イメージ的にはデザインとコーディング以外を担っている形でしょうか。
広報スタッフ:弊社のディレクターは業務の幅が広いですよね。主にお客さんとクリエイティブの橋渡しのような役割を担っているということですね。
李:そうなります。
ー李さんはディレクターチームのマネージャーを担当していますが、マネージャーとしてどのような取り組みをしていますか。
李:デザイナー、エンジニアのマネージャーと毎週MTGをしています。案件の進行状況の確認や、案件の中で改善したいことを話し合っています。各チームで挙がった意見を共有して、改善や解決策を話し合い、共有事項をチームメンバーに共有しています。
広報スタッフ:どんな内容が話にあがってくることが多いですか?
李:リソースの確認は絶対に欠かせない内容です。そのほかにも「事件簿」「やってみたいこと」というトピックもアジェンダに入れています。「やりたいこと」では、案件をもっとスムーズに進行したりクオリティを上げるために試したいことを共有して話し合っています。最近だと、採用サイトにフォーカスを当てたナレッジチャンネル(Slack)を作ろうとか。自分たちのスキルやナレッジを底上げするための案を出すことが多いですね。
広報スタッフ:とても素晴らしいですね。業務を進めるにあたって、使っているツールの見直しや、やりづらいなと感じるところがあったら改善するという動きをされているということですね。
李:そうですね。改善策を出すことが多いです。新しいものをどんどん取り入れられる仕組みを作っていきたいです。
ディレクター”ひとりで”デザインや実装まで担当
ー李さんが受け持っている案件の中には李さん自身がディレクション、デザイン、実装まで行うと聞きました。
李:今年(2024年)の1月にノーコードツールSTUDIOのProエキスパートになりました。1〜2年前はそこまで広く認知されてはいませんでしたが、ノーコードツールが今後くる!ということで、1年程前に使ってみようという動きがありました。「Webflow」と「STUDIO」どっちがいいんだろうと比較検討したのですが、結果的に弊社では「STUDIO」の使い勝手がよくて。そこで率先してSTUDIOを使い始めたのがきっかけです。
STUDIOとは?詳しくはこちら
ノーコードツールなので、コードを書かなくてもサイトを作れます。さらにSTUDIOが販売しているテンプレートを活用すればディレクターでもサイトが作れるので、納期が短い案件などは私だけでディレクションから納品まで担当したことがありました。
広報スタッフ:それは革命ですよね。ディレクターが直接お客様の悩みや要望を聞いて、それをそのまま反映することができる。時間の短縮はもちろんですが、お客さんとの齟齬が発生しづらく、満足度も高いのではないでしょうか。
李:そうですね。FMCが昔からお付き合いさせていただいている成増塾様の事例をちょっとご紹介しますね。私が入社直後からディレクターとしてご一緒しているのですが、最近STUDIOを使って2つのキャンペーンサイトを公開しました。学習塾なので、講座の告知や夏期講習など、特定の時期に公開したいというご要望が多いです。そういった需要にはSTUDIOがぴったりで、私一人で制作を行いました。元々コーポレートサイト制作にも携わらせていただいた経験から、情報設計のポイントやデザインのトンマナを私自身がすでに把握していたこともあり、かなりスムーズに制作が進んでいきました。
広報スタッフ:すでに長く李さんが担当していたお客さんとのことで、お客さんにとっても一番イメージに近い状態でサイトを作ることができたのではないでしょうか。
李:そう思っています。このLP制作は、ご相談いただいた時点で、すでに掲載したい情報を先方がまとめていました。スタートアップ講座を紹介している告知用のチラシと簡単な説明書きが掲載されたWordの資料をいただいていて、それをサイトに落とし込んで作りました。
広報スタッフ:そうなんですね。その落とし込み作業やサイト内での配置も李さんが担当されたと。
李:はい、基本的には全て担当しました。今までの制作でもワイヤーを作っているので、内容をテンプレートに当てはめる作業はスムーズに進められました。デザインに関しては、すでにコーポレートサイトがあるので、そこからトンマナを踏襲して作成しました。載せたいことはすでに決まっているので、あとはサイトとして見やすいように表現するのがこちらの仕事です。
広報スタッフ:とてもまとまっていて、見やすいサイトになっていると思います。
広報スタッフ:これは大体どれくらいの期間で作ったんですか?
李:実質1週間くらいで完成しました。ヒアリングなどやり取りを含めるともう少しかかる場合もございますが、今回の場合は素材もテキストも揃っていたり、前々からお付き合いさせていただいていたということもあって、1週間で完成させることができました。
広報スタッフ:1週間!それはすごいですね!1週間でクオリティの高いサイトが作れるとなったら、今回のように頻繁にキャンペーンがあり、スピーディにサイト制作したいという方にはピッタリですね。
李:そうですね。STUDIOのおかげですけど、便利なものはお客さんに提案していく姿勢を大切にしていきたいです。
広報スタッフ:今でこそSTUDIO Pro エキスパートになって、STUDIOを用いてさまざまな制作を行なっていますが、去年の今頃からしたら「なんぞや?」という感じで手探りでやっていたと思います。それを李さんが率先して社内に普及させていったことはかなり大きいのではないかと思います。
李:私自身便利なものや新しいものが好きなので、それを自分で試して使えるようになるのが楽しいです。手を動かすことが好きな方にはぜひお勧めしたいです。
広報スタッフ:STUDIOなどのノーコード制作は、Web制作に関する知識が一切なくても成り立つものなのでしょうか?
李:テンプレートをそのまま使えば知識がなくても大丈夫だと思うのですが、オリジナルで制作する場合はWebの知識は必須だと思います。そうでないとサイトの構造としてあまり良くないものになったり、運用がうまく行かない可能性が大きいので、前提として知識は必要です。ただ、自分で触ってみるとエンジニアはこういうことを考えているんだなとか、実装する時の大変さがとてもわかるようになったので、それが自分がワイヤー作る時とか、デザインチェックの時とかにもだいぶ生かされているなと感じます。
広報スタッフ:それはいいことですね。自分で作る機会があると「こういう情報を追加してクリエイティブの方に共有すると伝わりやすいんだ」というのが理解できるということですね。
クライアントワークで大切にしていること
ークライアントワークを行ううえで心掛けていることを教えてください。
李:お客さんのやりたいことをまず理解したいと思っています。FMCはサイト以外の制作物も制作しているのでWebに限らないのですが、サイトを作る前提で話しますと、お客さんの表現したいことや達成したいことをサイト上で表現するために良い方法を考えることがディレクターの仕事だと思います。お客さんの要望とユーザーの使いやすさのバランスを考えることを心がけています。
広報スタッフ:なるほど。Web制作に携わった経験がないお客さんももちろんいらっしゃって、ご要望をそのまま反映すると、第三者から見たら見づらくなってしまう。なんてことはよくありますよね。
李:本当にそうですよね。そういった時は、「それをそのままやるとユーザーが見にくくなってしまいますよ」と伝えるようにしています。あとは、”お客さんの管理のしやすさ”もちゃんと伝えたいなと思っていて、例えば「お問合せフォーム増やしたい」と言われたらその分運用や管理に時間を要しますよという確認は入れるようにしています。懸念点があればちゃんと伝えて納得してもらった上でやりたいなと思っています。私が逆の立場だったら、ちゃんと言ってくれる人がいいなと思うので。
広報スタッフ:”お客様のご要望”と”管理のしやすさ”は、時には両立しない時もあるということですね。
李:そうですね。使う人、見る人がいるということは、情報を探している人がいるということなので、使い勝手がいいことは一番大切だと思います。
広報スタッフ:長く使うものだからこそ、運用するのをやめて放置することが一番もったいないので、使い勝手は大切ですよね。
李:そう思います。なので担当した会社のサイトが定期的に更新されていたりすると嬉しいです。あとは、なるべく時間がかからない方法で進行しています。
広報スタッフ:その意図はありますか?
李:私が基本的にめんどくさがりなのもありますが(笑)お互い負担なく、いいサイトを作りたいという思いが強いです。そのような制作にするには、時間をかけるところとそうでないところを見極めることが大切だと思っています。「時間をかけるべきところ」と「そこまでかけなくても印象が変わらないよ(ただ情報を掲載するだけのページなど)」という部分をわけて、お客さんに事前に伝えています。そうするととてもスムーズに進行すると思います。
広報スタッフ:大切なことだと思います。サイト制作に携わったことがない方からしたら、どこに時間をかければいいのかわからない場合がほとんどだと思います。目安だけでもそういった情報を共有してもらえると、なんとなくイメージが湧きますよね。
業務での成功体験
—仕事で最近うれしかったことを教えてください。
李:お客さんからもう一度依頼をもらえたことでしょうか。自分の日常生活で想像すると、同じお店にもう一度行くって、相当気に入ったお店じゃないですか。そう考えるとFMCにまた頼みたいって思ってくれたことがとても嬉しくて。お互いに信頼感も生まれているような気がしています。
広報スタッフ:FMCはありがたいことに、リピーター様がすごく多いですよね。それはそういったコミュニケーションの部分を評価していただいているのでしょうか。
李:そうですね。いい意味で友達みたいに、気軽にご相談いただくことが多いです。依頼されたことをやるだけではなくて、距離が近いところが評価されているのではないでしょうか。私自身、その方がいいサイトになると思っています。制作期間は毎週お打ち合わせをさせていただくこともありますが、その時間が苦痛なものになってしまうよりも、言いたいことを素直に言えて、いいものを生み出すようにお互い向き合える時間にしたほうが楽しいと思います。
広報スタッフ:そう思います。本来新しいものを生み出すためにワクワクしている時間であるべきだと思うので、その部分の柔らかさは必要ですよね。
働いていて感じるやりがいや、FMCの良さ
ーディレクター・マネージャーとしてFMCで働くやりがいは何だと思いますか。
李:一番は改善したいことがあったらすぐに実施できることです。それはFMCが少人数だからというのもあるんですけど、割とすぐアイディアを受け入れてくれるというのが自由度が高くていいと思っています。やっぱりやってみないと分からないことってたくさんあるので、改善策や新しい取り組みをすぐに試せるのはありがたいと思っています。
逆にいうと、全然整っていない部分があるからこそ改善点が出るっていうことはありますが、私は多分整ったものより整っていないものを自分で整理するほうが楽しいと思うので、それはいいことなのかなと思います。
広報スタッフ:そうですね。うちも整えなければならないことがまだまだたくさんあるので、マネージャーとして「こうすればみんな楽になっていいんじゃない?」って提案してくれる存在は、今後も会社づくりの土台としてコアな部分になると思います。
李:自分の性格的に効率の悪いやり方が嫌いなので(笑)マネージャーになってそういった部分を進行できてよかったと思っています。
会社の価値を高めるために必要なこと
—FMCは李さん目線でどんな会社でありたいですか?
李:個人的な考えですが、週休が3日で、かつ給料面でさらに豊かになっていたらいいなと思います!それは会社としても大きくレベルアップしている証拠だと考えています。
広報スタッフ:大事ですね。週休3日は大胆な目標です!
李:「週休3日」と「給料が倍になっていること」は必ずセットで実現しないと意味がないと思っています。ものすごく単純に考えると、週休3日は給料を減らせば割とすぐ実現できますし、給料を倍にするには今の倍働けば達成しやすいと思います。でも、どちらかだけでは不幸になりそうです。
スキルがある人が5分でやることと、ない人が5分でやることではもらえる対価が違いますよね。短い時間で良いものを作れば、お客さんは短い期間で良いものを手に入れられるし、私達は時給が上がるので良いことしかないと思います。
そのためには継続的にスキルアップのための情報収集等、インプットする時間が必要になります。サイト制作はWebの知識だけでなく、色んな業界や商材を知っていることもかなり重要で、すでに知っている/経験したことのあるものを扱うサイトのほうがクライアントへの理解が速く、提案の幅も広がります。私は今まで自分のために経験したことが仕事に活かされたことがあったので、その経験からも週休3日にして、仕事と関係のあることもないことも経験できるような、自分のための時間を確保するのはとても重要だと思います。
広報スタッフ:確かにそうですよね。制作会社としてのスキルがあることは絶対に求められることですが、さらに背景知識があるとクライアントも安心しますし、信頼にも繋がりますよね。
李:みんながプロになったほうががかっこいいですし、できることが増えた方が自分の自信にもつながると思います。自分でも入社した時と今だと、今の方ができることが多いです。お客さんに対しても自信を持ってアドバイスをできるようになりました。みんなが自己肯定感高く働けるために、日々スキルを磨くことは必要なことだと思います。
今後の目標
—最後に、李さんの今後の目標を教えてください。
李:入社前の面談から喫茶店を開きたいと言っていました。自分が毎日お店に立ってコーヒーを入れたいわけではなくて、好きなものが詰まった空間を作りたいんです。喫茶店のいいところって、おいしいコーヒーが飲みたくて行く人もいるし、本を読むために行く人もいるし、友達とおしゃべりするために行く人もいますよね。いろんな目的があって、そこにたまたま自分の好きなものが置いてあったら嬉しいだろうなと思って。ただの喫茶店ではなくて、その喫茶店に来る人が好きそうな雑貨が置いてあったりとか、音楽にこだわっているとか、そういう空間を作りたいです。好きなものに出会うきっかけとなる喫茶店を作りたいなと思います。
広報スタッフ:とてもいいですね。喫茶店という空間の中に好きなものを色々詰め込んだ場所にしたいと。遠い将来と言わず、近々実現して欲しいです!
広報スタッフ:本日は素敵なお話をありがとうございました!今後ともよろしくお願いします。
李:こちらこそ、よろしくお願いします。